現状に既に強い不安や不満があるなら、それはそれで楽なことかもしれません。
というのは、するべきことがある意味はっきりしているからです。
逆説的に聞こえるかもしれませんが、既に自分の抱えている不満要素がわかっている人の場合なら、
対応策を考えやすくそこから自分の進むべき道は逆に見えやすくなります。
それよりも深刻といえるのが、今なにが不安で不満なのかはっきりわからないけれども、
毎日なんとなく心にモヤモヤを抱えて生活しているという場合です。
仕事もどうしても出勤したくないと思うほど嫌なわけじゃないし、そこでの人間関係もそこそこ。
仕事を面白いとは思わないけれども逃げ出したいほどつまらないわけじゃないし、
とりあえずお金は定期的に稼ぐことができるので文句は言わない。
そういう人の方がもしかしたら今の世の中では主流なのかもしれませんね。
ですがそうした漠然とした不安・不満は長く蓄積されることで
自分の中でモヤモヤ度を増していってしまい、
しまいには何が幸せなのかということが考えてもわからなくなってしまったりします。
食べたくても貧しくて食べられない人もいるんだ!
と年配の人の中にはそうしたモヤモヤ感を持つことを悪いこと、
贅沢なことのように言う人もいますが、ある意味食べられない場合には
「食べるためにするべきこと」を考えることができたわけなので、
全く悩みの次元は別なのではないかと思います。
そんな日常のモヤモヤ感をなんとかしてなくしたいと思い、行動に移した人もたくさんいます。
例えばそれまでOLとして事務職をしていた女性が、
ある日突然思い立って海外留学をしてバリスタを目指すような場合です。
この女性の例でいえばそれまで特にコーヒーが好きで興味があったというわけではなく、
「これだ!」という直感に従っての行動です。
一見してみるとこういう女性の行動は周囲にとっては不可解なもののようですが、
こうした例は実際には数字として出てこないだけで非常に沢山あるようです。
ただ残念なことにそのような大胆な行動が成功に直接結びつくということはあまりなく、
ほとんどの場合言語の壁や思い描いてきた理想像と違っていたことに失望して
再び元の生活に戻るようになってしまいます。
ですが、そうした行動は「成功したい」という計画があったわけではなく行動することそのことに
意味があるわけなので、戻ってきたとしても後悔はあまりないものです。
海外留学ほど大胆な行動でなくても、
ちょっと生活環境を変えることで新しい自分を見つけたいと思う女性は多いようです。
そんな時代・世相を反映してか最近では
「シェアハウスの恋人」というドラマも登場しました(2013年1月~)。
シェアハウスの恋人では、30歳を迎えた主人公(水上あさみ)が
それまでの自分を変えるきっかけをつくるため、男性二人と一緒に生活をするシェアハウスに入居することで物語がスタートしています。
何かを変えたい。何かを見てみたい。
そういう潜在的な願望を持つ20~30代の女性にとって、
このシェアハウスの恋人に描かれる世界というのは大変リアルなものであるといえるでしょう。