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ボランティアに参加する

ボランティア活動はアルバイトや会社勤務と異なり、基本的に利益や報酬を受けることなく行っていくものです。
もともとはできる人が困っている人に対して支援をするという単純な人助けをするための活動ですが、個人だけで行うのではなく組織として動くことによりさらに大きな支援ができるようにするということでボランティア組織があります。
ですがそんな無償で行うボランティア活動でも、全く利益を得られないわけではありません。
人助けをしたという充実感や、その結果として得られることのある助けた人からの感謝は他のどんな金銭的な報酬よりも貴重なものとして心の中に残ります。

そんなボランティア活動は、今特に定年退職を迎えた世代の人に多く勧められています。
現在は高度成長期に青春時代と働き盛りを過ごした団塊の世代が多く退職を迎えているところですが、それまでがむしゃらに取り組んできた仕事から一気に開放されたことにより、自分を一時的に見失ってしまいそれからのセカンドライフをどう過ごしてよいのかわからなくなってしまっている人も多く見られます。
それまではどこに行って何をするにしても、○○会社○○部の~という肩書で行動をしてきた人などが、突然自分個人として何かをしようとしても、どこか宙ぶらりんで足元がおぼつかないような気持ちになってしまいます。

せっかくそうしたしがらみから自由になれたのだから好きなことをすればいいと周囲としては思うものですが、当事者にとってはそれまで当然のように目の前にあった道の標識がなくなり四方八方どこに行ってもよいということになれば、どちらに足を踏み出せばよいのかもわかりません。
そんなとき、会社としてではなく個人として参加をすることができるボランティアは自分を改めて見直すためのよい一歩となります。

ボランティア活動は無償で行うものですが、だからといって何の能力もなくてもよいというわけではありません。
医療や語学といった専門的な知識や、体力や経験といった本人の中に備わった力がボランティアでは大きな意味を持ってきます。
ですのでボランティアに参加をするということは、肩書や枠から離れた個人としての資質や能力はどのくらいのもので、それが他人にとってどんなふうに役立つものであるかを再確認することができる貴重な機会となります。

無償のボランティアを自分探しという利己的な目的に使用するというとどうしても抵抗感を覚えることもあります。
ですが、あくまでも本来の目的は人を助けることにあり、その中で自分にできることは何かを間接的に探していくという心さえ忘れなければ決して迷惑に思われることはありません。