「クルンボルツの理論」を聞いたことがあるでしょうか?
クルンボルツの理論とは、米国スタンフォード大学の教育学・心理学教授であるJ.D.クランボルツが
提唱をした理論です。(クランボルツ理論と訳されることもあります)。
クルンボルツの理論の基本的な考え方は「計画された偶発性理論:Planned Happenstance Theory(プランド・ハプタンス)」というものです。
プランド・ハプタンスとはわかりやすく言えば
「計画外の出来事もキャリアにつながっていくから地道に楽しもう」ということで、
自分が思い描いていたこと以外の事態に遭遇したときの心構えを教えてくれます。
参考サイト:自分探しで迷子になったオトナへの処方箋(Allabout)
小学生くらいの時期に、学校の授業の一環として
「将来なりたいもの」を作文や絵で表現したことがあるかと思います。
子供のときの夢というと、芸能人やスポーツ選手など
実際にはほんのわずか一握りの人しか就くことができないであろう仕事が挙がります。
最近では小学生のときから「公務員になりたい」という子供も増えてきたというニュースも
ありますが、ともかくきっとこうなるはずという未来をその子供なりに思い描きます。
ですが、将来実際に子供のときに思い描いていたような職業に就くことができる人は
数字にしてみれば本当に天文学的なものです。
大学生などになってからも、
十分に現実を見てからプランを立ててもその予定通りに物事が進むとは限りません。
極端な話かもしれませんが一生安泰だと思って就職をした企業がわずか数年で倒産をしてしまったり、
別の企業に転職せざるを得なくなってしまうことだってあるわけです。
公務員になれたとしても、その後の政治情勢によって
突然民間委託をされるようになることだって考えられますし、
今の時代これをしておけばあとのレールは完全に決まって安心という補償はどこにもないのです。
ただしこのような時勢であることそのものは、悲しむべきことでは全くありません。
むしろこの予測不能な時代だからこそ、クルンボルツの理論による考え方が重要となってくると言えます。
現在有名人として活躍をしている人をみてみると、
必ずしも子供のときからしっかりした道筋があってその通りに生きてきたということはなく、
むしろ子供時代は劣等生として煙たがられることもよくあったという人もたくさんいるのです。
それら大器晩成として有名人になった人たちに共通しているのが、
不測の事態が起きたからといってそこで自分の不幸を嘆き悲しむのではなく、
その事態だからできることを探し新しく自分の才能を開花させていったということです。
自分で自分のレールを決めてしまうことは、ともすると自分自身で自分の中にある可能性をせばめ、
もしかしたら心の奥底に眠ってしまっているすごい力を
しまいこんだままにしてしまうことにもなってしまいます。
自分探しに迷ってしまった時や、不測の事態に巻き込まれて落ち込んでしまったときには
まずは気持ちを落ち着け、これからのことを前向きに考えてみてください。
違った方向に歩き出すことで、それまでは見えなかった素敵な風景に出会えるかもしれません。