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嫌なことを忘れたい

自分探しをしたいと思うきっかけは人それぞれですが、中でもよくあるのが「嫌なことを忘れたいから」という動機です。

誰しも日常生活をしていると嫌なことはかならずいくつか経験していくものですし、中には消しゴムがあったらすっかり消し去ってしまいたいような恥ずかしい過去があったりします。

ですが、人生における出来事は自分を含めたたくさんの人によって構成されているので、それを消し去ることは不可能です。

またどういうわけか忘れたいと思うことこそふとした瞬間にふっと頭の中に沸き上がってきて、何度も何度も苦々しい思いを心の中に残してしまっていたりします。

そのための「自分探し」の場合、ともすると「過去の自分から逃げる」ということと同意語になってしまうこともよくあります。

 

自分探しの方法としてよくあるのが、海外旅行など遠い誰も自分のことを知らない土地に行ってみたり、それまで経験したことのなかった習い事や仕事を始めてみるというものがありますが、そうしたことを経験するとそれまで自分がこだわっていたことが小さく感じられるようになり、新しい楽しさや生き方のヒントを見つけることができます。

ですが、一時的には新鮮な気持をその行動から味わうことができたとしても、ちょっとしたきっかけでまた過去のことを思い出し再び塞ぎこんでしまうということもあります。

そんなことを経験すると「自分は結局過去から逃げられないんだ」といった悲しい気持になってしまいますが、あきらめる必要はありません。

自分探しによって新しい自分の居場所を見つけたのであれば、次にすることは過去にあった嫌なことと向き合うということだからです。

 

新しい環境に馴染み始めたところでふと突然頭に忘れたいことがよぎるのは、考えようによってはそれまではまっすぐ向き合うことができなかったことに向かい合えるような素地ができたと体の中で感じているからかもしれません。

過去の嫌なことから少し距離をとれたことで、その後悔をしても新しい居場所が受け入れてくれるという安心感があるから思い出せるつらいこともあります。

過去のことを完全に忘れることができないのであれば、それを心の隅においておく方法を次には身に付ける必要があります。

嫌なことを思い出しそうになったら、新しく知った楽しいことをその上にかぶせてみたり、またそれは「過去のことだった」と自分を納得させてしまうようにすれば、とらわれがちな過去からもうまく抜け出せるはずです。