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「もっと」をやめてみる

自分探しをする人の多くが考えてしまうのが
「今の自分は本当の自分ではない」「もっと違う自分がいるはず」
といった漠然とした期待です。

ですがその「もっと」という気持ちこそが、
本来の自分の気持をわからなくしてしまっているということもあります。

人が幸せを感じる瞬間とは、何かに満たされているときです。
今自分の周りにあるものや環境などを、自分にとって満足なものだと
思えているかどうかがそのまま本人の幸福感に直結していきます。

反対に現在幸せであるということを感じられない人は、
今そこにある状態に満足をすることができず「もっと○○をしたい」
「もっと○○になりたい」「もっと○○がほしい」といった
願望を持ち続けていたりします。

また積極的に「もっと」という気持の他に、「いつか○○になるはず」
といった現在ではない状況が来てくれることを消極的に待っているときにも
同じように幸福感が少ないと感じてしまうようです。

確かに、向上心を持って行動をするときには「もっと」はとても大切な要素です。
しかしその「もっと」はきちんとした目標が定まっていて、
そのための努力の方向が定まっているときならプラスのことですが、
漠然とした「もっと」の感情はむしろ幸福感を下げるための要素にしかなりません。

例えばテレビなどのCMを見てみるとどうでしょう。
「もっと○○になりたいと思いませんか?」「もっと○○がほしいでしょう?」
といった広告文句がとても頻繁に登場してきます。

これは、現状は満足してはいけないものであるという
メッセージを発することで、行動を促そうという戦略によるものです。

繰り返し「もっと」の可能性を言われ続けているうちに、
私達はいつのまにか自分自身の可能性に「もっと」を
求めすぎるようになっているのではないでしょうか?

「もっと」は一度求めてしまうと、また次の段階の「もっと」を
求めなくてはいけないようになってしまう性質があります。

広告を見ることが悪いこととは言いませんが、一度自分の中で「もっと」を
捨て去ってみるということも、自分探しをするときには大切です。

「もっと」「いつか」という気持はともすると現在の自分を卑下したり、
全く満足ができない状態にあるのだという刷り込みを創りだしてしまいます。

現状にあるものに満足を少しずつでも感じるようにして、
ありのままの世界を自分の中に受け入れるようにしたときに、
自分なりの幸せのヒントが隠されていることに気づくかもしれません。